クマのプーさん展 Winnie-the-Pooh: Exploring a Classic

In: 読み物, 雑記

美術展レポート001 クマのプーさん展 大阪

あべのハルカスに立ち寄る予定があり、その足でクマのプーさん展に立ち寄ってきました。
慣れ親しんだ「しん……」と静かな美術展とは違い、写真撮影可能な立体的な展示や滑り台、手を突っ込むと蜂の音がする木のウロ、投げ棒橋と触れて体感できるパビリオン的な展示が特徴的でした。


入り口近くの大きな階段は、よく見るとスケッチっぽさを出すためか蹴込み板部分に黒い斜線が入っていて、細かなこだわりを感じました。
仕切り壁も水色と白のストライプでまるでクリストファー・ロビンの部屋っぽい雰囲気。
写真撮影を楽しめるゾーンでは椅子が木の丸太っぽく装飾され、プーさんの世界観を表現しようという試みがとても素敵でした。
ただそこまでの作り込まれている…とは言い切れず、ざっくりな感じだったのでもう少しリアリティがあるとより良かったかもとも感じました。

棒投げ橋は実際に橋の上を歩くことができるので、後ろから写真を撮ってもらえばハートフィールドに行かずとも絵本の世界に入り込んだ写真が撮れます。
残念ながら私は一人だったのでそういった写真は撮れませんでしたが、川のせせらぎのBGMとともに、クリストファー・ロビンとプーさんが棒投げをしているかのような水音と、流れる動画を見るだけでも十分に楽しめました。

メインの展示物であるE.Hシェパードの原画は、ひとつひとつの見ごたえがたっぷりで。
少ない線数と、目が点で表現されているにも関わらず、キャラクターが生き生きと感じられる理由は“ポージング”がしっかりと取られているからだと学びました。
クリストファー・ロビンの子供らしい関節の表現であったり、プーさんの首を傾げる角度、体の傾きから感じられる風の強さ……。
表情が描かれずとも伝わる情景描写力。
雨一つの表現をとっても、画面手前は白で、奥側は黒い線、より強い雨はナイフで表現されていました。
キャラクターの性格がにじみ出るポージングの表現が本当に素晴らしく、さらさらっと書かれているように見えても、E.Hシェパードの観察力と描写力に、食い入るようにひとつひとつ覗き込んでいました。

また、挿絵の差し込み方もダイナミックで絵本ではなく“読み物”にも関わらず、イラストが跳ねればテキストも跳ねたような組み方で、とても1926年刊行とは思えない新鮮な本でした。

ラインブロックという印刷方法で使用される原盤の複製なども展示されおり、この印刷方法の名前は初めて聞いた(見た?)のですが「木製版で裏打ちした亜鉛レリーフエッチング」とのこと。
ゼラチンを使用し、反応するところとしないところの差で版を作る……だったかな。
E.Hシェパードの繊細な筆跡がきちんと出ていてすごいなぁと感じました(ひとつは触ることもできました)。

クマのプーさん展リーフレット

クマのプーさんという題材だからこその展示方法で見応えがありました。
A4のリーフレットもよく見ると299✕297mmの正方形がA4に折られたもので、真意はさておき本のカバーっぽくて好きでしたし、全体的に雰囲気を肌で感じられる良い体験型の展示でした。

クマのプーさん展 Winnie-the-Pooh: Exploring a Classic

会期:2019.4.27 sat – 6.30 sun
主催:あべのハルカス美術館、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、朝日新聞社、関西テレビ放送
料金:1,500円+音声ガイド550円

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