InDesignで書籍の組版にトライ!を開催しました。

In: セミナー

お疲れ様です、モリサキです。
先日、「おぢんとゆらのぷちっと講座」なるものを立ち上げまして、大石さん(@おぢん)と私モリサキ(@ゆら)で超少人数の講座を定期的に開催することになりました。
その第1回目が表題の「初心者向け!InDesignで書籍の組版にトライ!vol.01」。
11月23日(水)に、祝日にも関わらず男性2名女性3名の計5名が事務所まで足を運んでくださいました。

目的

普段から仕事であったり、制作に欠かせないツールとしてInDesignを使用している側から見るとあまりピンと来ない部分もあるかもしれませんが、数年前までInDesignを立ち上げたことすらなかった私は、「学習環境がない場合や、差し迫って必要だと感じた時に調べながら使用する時間がもはや無い」のがInDesignではないかと考えています。
新規で立ち上げた際Illustratorと違い、まずダイアログボックスで設定しなければならないハードルの高さは、初心者にとっては中々攻略しがたいものではないでしょうか。
そして「個人的に使ってみる」にしては「とりあえずの題材」を準備することが難しいツールだなぁと思っています。

ですので超少人数の本講座では、「実際に触って、制作してみる」ことを目的として、予め“53,000字”程度の小説をご用意しました。
目次、小見出し、ノンブル、柱など…。
書籍に必ず必要な付き物も、InDesignの機能を実際に使って本番さながらに組み上げました。

所感

基本的な講座の流れは以下でした。

  • InDesignの環境設定の説明
  • レイアウトグリッドとマージン/段組みの使い分け(プライマリテキストフレームについても添えて)
  • テキスト整理、流し込み
  • 段落スタイル設定
  • 検索/置換、正規表現スタイル
  • 不適切な部分を見つけて文字スタイル設定/適用
  • ノンブルの作成
  • 小見出しのスタイル設定/適用
  • 目次の作成

「InDesignを普段使っていますか?」という問に、参加者の皆さん全員が普段は使われていないということでした。
では…と早速環境設定のパネルを上から順々に説明を開始する大石さん…。
困惑しながらも1つ1つ「とりあえず」設定を真似ていく皆さん。
まぁ意味は分からなくても、いつか分かる日が来るだろうと、おぢん節を黙認する私。

パネルがどこにあるか分からず、各々のパソコン画面を覗き込みながら指示ができるのは少人数ならではで、説明が止まりがちではありましたが一通り流し込みが自動で終わった際には、皆さん一旦安堵の表情が見えました。

が…その後即、文字組みのセオリーに。
少し掘り下げすぎだと感じる部分も多々ありましたが、伸ばし棒のあしらいであったり、分割禁止・行頭段落等々、文字組みに関することを中心に、駆け足にはなりつつも検索置換であったり正規表現、そして小見出しの段落スタイルと一通り触れました。

個人的にもお仕事として書籍を扱ったことがないので、初めて気がついたことは「柱・ノンブルの位置」。
一文字分内側に」とのこと、後ほどW3C日本語組版処理の要件も読み直しました。

縦組及び横組において,ノンブル及び柱を横組にして配置する場合は,左ページでは,基本版面の左端の延長線にノンブル又は柱の先頭をそろえて配置するか,基本版面の左端の延長線から基本版面の文字サイズの全角アキだけ右に寄せた位置に配置する.右ページでは,基本版面の右端の延長線にノンブル又は柱の末尾をそろえて配置するか,基本版面の右端の延長線から基本版面の文字サイズの全角アキだけ左に寄せた位置にノンブル又は柱の末尾をそろえて配置する.

W3C日本語組版処理

「もっとみっちりしたかった、もうちょっと細かいところまでほんまは…」とおぢんは申しておりましたが、初心者さんにとっては十分細かったかと…。
分かるんですけれどね、題目、初心者さん向けなんです…。
そんなこんなで画像の扱い方にも少し触れ、3時間の予定が30分ほど延長される講座となりました。

最後に参加者の方から「本文に詰め組は用いないのか、手詰めをすることは良くないのか」といった質問をいただきました。
口頭でおぢんからも説明がありましたが、以下は私の意見です。

今回の教材は小説です。
例えば今回の53,000字の物語を読む読者が、スムーズに物語の世界へ入り込めるよう、文字を追う「リズム」を乱さない全ページ共通した文字組が必要だと考えます。
きちんとベタ組で組めば、全ページの「行ごとの文字のリズム」が整い、呼吸感にも規則性が出ます。

一方例えば小見出し。
文字の大きさも本文より少し大きければ、本文よりも文字間が空いて見えてしまうことも。
そうすると、今まで物語の世界に浸っていた読者を、小見出しの文字のリズムに「なんとなくの気持ち悪さ」を覚えて、現実に引きずり戻してしまうかもしれない。
だから、詰めて調整する。
ただし本文のような複数行で使いすぎると、リズム感が窮屈で息が詰まる

様々な意見があると思いますが、根本的に読者が目で文字を追い、読んで理解するという行為の際に、思考に無駄なノイズを与えない」ようにするのが文字組みの意義であり基本かな、と私は今まで自分で学習してきて、自分なりの結論を持っています。

ぱっと見て、ひとかたまりに見えるようにロゴや見出しをつくる際に、手で詰めて調整するのも「思考に無駄なノイズを与えない」手法のひとつ。
悪い悪くないという話ではなく、ケースバイケース。
見せる文字」と「読ませる文字を、読者側に立って切り分け、落とし所をつけるべきだと考えます。

チラシ等で、文字を収めなければならずにどうしても詰めざるをえない場合も有りますけれどね。
1しか知らないうちの1を出すのと、10知っているうちの1を出すのは違うと思うんですよね。

謝辞

今回教材としてお借りした「眠リ猫ノ夢」は、Web小説作家seedsさんの作品です。
seedsさんは私がまだ10代前半の頃に、個人のWebサイトを通してお知り合いになり、早10数年…。
全く前触れのない、突然のお願いを快く受け入れてくださり、さらに教材の為に小見出し等々も本講座用に加筆してくださいました。
この10数年、実際にお会いしたことは1度もないのですが、ずっと大好きな作家さんです。

今回の教材としてお借りした「 眠リ猫ノ夢 」は、「伝説の卵神官シリーズ」の外伝で、本編第一部「未来の卵」と第二部「月に捧ぐ歌」と連載が続いています。
第一部だけで余裕の文庫本三冊相当の長編ですが、是非一度読んでみてください。

seedsさんのWebサイト:星明かり亭

seedsさん、この度は本当にありがとうございました!今後共、どうぞよろしくお願いいたします!
「あれ、そういえば…」と確認したところ、やっぱりラウルの年齡を超えていました。
出会った当時は大人な男性だったのにな…でも大好き。

まとめ

講座に関する報告記事ですので、細かい文字組みに関するTipsは省きましたが、それでも長くなってしまいました。
基本的な企画・準備・運営は私が行ってまいりますので、「こんな内容をハンズオンで」というリクエストがあればお気軽にご連絡いただければ参考にさせていただきます。
おぢんとゆらのぷちっと講座ですので、InDesignや文字組みに関する講座はおぢんが。
Web制作を中心としたデザイン関係は私が担当いたします。
必ず毎月、とは行かないと思いますが…今後共どうぞよろしくお願いいたします。

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